2023年11月1日朝日新聞に掲載いただきました!

利用者さんにインタビューいただきお声を記事にしてくださいました。
ありがとうございます。


【記事】
家庭や企業から寄付された食料品や日用品を持ち寄り、生活に困っている人が無償で持ち帰ることができる―。街角に設けられた「コミュニティフリッジ公共冷蔵庫)」と呼ばれる支援活動が広がりつつある。泉佐野市にこのほど、国内10カ所目というこの仕組みができた。

9月下旬のある日、泉佐野市中庄の社会福祉センターにもうけられた「コミュニティフリッジ泉佐野」を介護職員の助成(32)が訪れた。
無人のプレハブは10平方メートル弱。棚には米やパスタ、ハンバーグのレトルト食品が並び、冷蔵庫にはヨーグルトがある。カボチャやタマネギといった野菜があることも。
「スーパーで見かけるもので安心。人と顔を合わさないので、誰かに気を使うこともない」と女性。朝食用としてパンやコーンフレークを持ち帰った。
小学生の娘と暮らす。パート収入と、月4万円ほどの児童扶養手当でやりくりする。物価高の影響は大きく、スーパーでは品選びに悩む。自分は1日1食で済ませることが多くなった。
週2、3回ここに来ることで、ヨーグルトやレトルト食品も手に入る。娘も食品選びを楽しみにしているといい、「2人で『すごいね』って話してます」と語った。
コミュニティフリッジは食品ロスの削減と生活困窮者支援を両立させる試みだ。支援を受ける人にとっては、他の人と顔を合わさず、24時間いつでも利用できる。
泉佐野市では、地元のNPO法人「キリンこども応援団」が運営している。利用するには登録が必要で、スマートフォンの専用アプリで入り口の電子ロックが解除でき、選んだ品物のバーコードを端末に読み込ませて持ち帰る。
利用は、市内在住で児童扶養手当を受給するひとり親の子育て世帯と想定。10月半ばまでに50世帯が利用を始めた。200世帯の利用を見込んでいて、応援団代表理事の水取博隆さんは「登録は予想より伸びている。個別の事情を抱える人にも柔軟に対応したい」と話した。
2010年代に欧州で始まったとされるコミュニティフリッジ。国内では20年に岡山市で、新型コロナウイルスの影響で生活に困った人たちのために始まったという。泉佐野市では、賞味期限が近くなって捨てられるような食べ物と企業や団体、家庭等から寄せてもらい、子ども食堂などへ無償で提供する「フードバンク」という取組みがあり、コミュニティフリッジを始められる下地ができていた。
コミュニティフリッジの運営費は月に20万円ほど。水取さんたちは「大切なのは貧困の連鎖を断ち切ること。子どもたちがおなかいっぱいになり、いろんな体験をして、大きな夢を持てるようにした」として、寄付を募っている。(田中章博)